結婚詐欺になる場合、ならない場合
2015.10.28更新
流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。
結婚する気がないにもかかわらず、「結婚しよう」などと言って異性の気を引き、肉体関係を結んでしまうという人が、時々います。
このような場合であっても、結果的に結婚にまで至れば問題は生じないと思いますが、結果的に結婚せず、結婚の約束が、単なる「口約束」に終わってしまった場合、争いが生じてしまいかねません。
もし、結婚する意思がないのに、結婚を餌にして異性に近づき、結婚するものと相手を騙して信じ込ませ、金目のものを騙し取ったり、返済の意思もないのに金品を借りたりしていたら、それは、いわゆる「結婚詐欺」に当たります。
この場合、被害者側としては、騙し取られたお金の返還請求や、刑事告訴を行い、被害回復に努めることとなります。もっとも、将来、夫婦になろうと考えていた訳ですから、お金を巻き上げられたことなどの証拠が十分に残っていないことも多く、証明に苦労してしまうかも知れません。
一つ注意していただきたいのは、刑事上の詐欺罪は、財物(金品)を騙し取るものでなければなりませんので、金品が取られていなければ、詐欺には該当しません。「お金は取られていないが、騙されて肉体関係を結んでしまった」ということでは、金品を騙し取られたわけではありませんので、刑事告訴をすることは困難と思われます。
なお、このような場合であっても、騙されて肉体関係を結んでしまったことの精神的苦痛に対する、民事上の慰謝料請求は可能であることもあるでしょう。
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