硬貨の表裏とお札の表裏について
2015.10.10更新
流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。
皆さんの財布の中にあるお金、表と裏がどちらか、ご存じでしょうか。
まず、硬貨についてですが、年号(平成27年などと刻印してある側)が裏であるとされています。この表裏は、法令で決まっているわけではなく、いわば慣例として、そのようにされています。
昔の硬貨では、表側に菊の御紋、裏側に年号がそれぞれ刻印されていました。それが現在の硬貨にも引き継がれ、年号が刻印されている方が裏側とされているのです。
では、日本銀行券(お札)の裏表はどのようになっているのでしょうか。
実は、お札の裏表については、硬貨と違い、法令できちんと定められているのです。
日本銀行法という法律の第47条2項には、「日本銀行券の様式は、財務大臣が定め、これを公示する。」という規定があります。お札の詳細について、きちんと公表しなければならないという規定です。そして、その法律を受けて、お札の発行に当たっては、官報(役所の出す雑誌。あまり面白いものではないです。)にその詳細が掲載され、公表されることとなっています。
その官報での公表では、お札のデザイン等が図入りで明らかにされますが、それと並んで、お札の表裏も明記され、公表されています。
例えば、2000円札を例に挙げれば、守礼門が描かれている側が表であると官報に記載されているのです。
このように、硬貨とちがって、お札だけ、お金の表裏がはっきりと定められているのは、何かおかしな感じがしますね。
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