2015.09.16更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

法律上、一定の関係にある親族との結婚ができないものとされていることは、皆さんもご存じと思います。どんなに好き合っていても、実の兄妹間で結婚をすることはできませんよね。

その一方で、いとこ同士が結婚できることも、皆さんご存知ではないかと思います。

 

では、どの範囲の親族が結婚できて、どの範囲の親族が結婚できないのか、その境界は、いったいどこにあるのでしょうか。

この点、民法は、734条~736条において、近親者との婚姻について定めています。

 

まず、民法734条は、「直系血族又は三親等内の傍系血族」との間の婚姻を禁止しています。「直系血族」とは、自分と直系の関係にある人、具体的には、父母、祖父母、総祖父母、高祖父母…や、子、孫、曾孫、玄孫…といった人のことを指します。また、「傍系血族」とは、同じ祖先から分かれ出た人、具体的には、兄弟姉妹(同じ父母から分かれ出ている)、叔父、叔母、甥、姪、従兄弟姉妹、再従兄弟姉妹…(同じ祖父母から分かれ出ている)といった人のことを指します。

 

直系血族とは、全員、結婚することができません。あなたが、もし200歳まで生きて、雲孫(玄孫の子どもの子どもの子どもの子ども)と恋愛関係になったとしても、残念ながら結婚することはできません。

その一方、傍系血族は、三親等内の結婚が禁止されているだけで、四親等以降の傍系血族とは、結婚可能です。兄弟姉妹(2親等)、叔父叔母・甥姪(3親等)とは結婚できませんが、それ以外の傍系血族とは結婚可能です(従兄弟姉妹は4親等なので、結婚できるのですね。)。

 

ところで、父母が再婚して、連れ子が家族に加わる(義理の兄弟姉妹)ことがあります。これらの義理の兄弟姉妹と結婚することは可能なのでしょうか。

 

まず、父母が再婚しただけでは、当然に親族関係が生じる訳ではありません。養子縁組をしなければ、親族関係は生じないのです。養子縁組がなされていないときは、親族(傍系血族)になっていないのですから、自由に結婚することができるでしょう。

 

養子縁組がなされている場合は、義理とはいえ兄弟姉妹関係(傍系姻族)になったのですから、結婚はできないようにも思えますが、実は、民法734条には、「養子と養方の傍系血族」との結婚を認める例外規定が設けられておりますので、この場合でも結婚することができることとなります。

 

次に、民法735条ですが、「直系姻族」との間の婚姻を禁止しています。「直系姻族」とは、自分の配偶者の直系血族及び自分の直系血族との配偶者のことをいいます。具体的には、配偶者の両親や祖父母、自分の子どもや孫の配偶者などが挙げられます。

 

例えば、妻と離婚した後、元妻の母親と再婚することはできません。個人的には、結婚できてもいいんじゃないか?と思ったりもしますが、やはりモメるでしょうし、倫理的に宜しくない、ということなのでしょう。

 

最後に、民法736条ですが、「養子もしくはその配偶者又は養子の直系卑属もしくはその配偶者」と「養親又はその直系尊属」との間の結婚が禁止されています。

 

自分の養子やその養子の結婚相手、養子の子や孫、曾孫…及びそれらとの結婚相手と、養親、その祖父母…などとの結婚はできません、という規定です。自分の養子に近い関係のある人とは、結婚できない場合がある、と考えておけばよいでしょう。

 

投稿者: 流山法律事務所

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