2015.02.24更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

一般に、アメリカは訴訟大国である、と言われています。すぐに訴訟を提起し、黒白をはっきりさせようとするお国柄ということです。

その一方、日本は、訴訟を嫌う傾向にあるように思います。もめ事を嫌うお国柄、とでもいうのでしょうか。

 

もっとも、日本でも、最近では、訴訟で結論をハッキリさせようとする傾向があるのではないか、と思います。訴訟で権利関係を明らかにすることは、決して悪いことではありませんので、そのこと自体は良い傾向であろうと考えています。

 

とはいえ、訴訟をやたらに提起し、自分の勝手な意見を押し通そうとするのであれば、そのような目的に出た訴訟は、決して許されるべきではありません。

訴訟を提起することは、憲法で認められた権利ではありますが、その権利は無制限に認められるものではなく、当然に限界があるのです。

 

例えば、自分の主張に理由がないことが、客観的な証拠上、ハッキリしているにもかかわらず、何度も訴訟提起をしたり、一度、裁判で敗訴した事件を蒸し返し、繰り返し訴訟提起をするような場合は、不法行為として、損害賠償をしなければならない場合があります。

 

また、相手から訴訟を起こされたとき、自分の主張に理由がないことが明らかであるにもかかわらず、不当な応訴を続けるなどして事件解決を妨げたような場合にも、不法行為責任が認められてしまう可能性もあります。

 

不当な訴訟提起や応訴に対して、不法行為が成立するとして、損害賠償義務を認めた判例も、いくつかあります。

 

自分の権利を実現するためのやむを得ない訴訟追行は積極的になされるべきですが、訴権の濫用と思われるような、不当な訴訟の提起・応訴は、してはならないことを肝に銘じておくべきでしょう。

投稿者: 流山法律事務所

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