流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。
弁護士法という法律によれば、弁護士は、弁護士法や弁護士会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があったときは、懲戒を受けるとされています。弁護士が、法や会則に反する不始末をしでかしたときに、制裁を加える、という規定です。
弁護士に対する懲戒は、次の4種類があります。
①戒告(弁護士に反省するよう求め、怒る処分)
②2年以内の業務停止(弁護士の仕事をしてはいけない期間を設ける処分)
③退会命令(弁護士の資格は失いませんが、仕事ができなくなる処分)
④除名(弁護士の資格も失い、仕事ができなくなる処分)
弁護士が懲戒されたときは、官報に公告されるほか、「自由と正義」という日弁連の雑誌にも掲載されます。
さて、2017年2月号の自由と正義には、17件もの懲戒が公告されておりました。
今月は懲戒が多いな、と思いながら目を通していたのですが、懲戒のうち6件は、「沖縄弁護士」に対する、同内容のものでした。
私も詳しくは知らなかったのですが、「沖縄弁護士」とは、太平洋戦争後、沖縄が本土復帰するに当たって、特例で弁護士をする資格を認められた弁護士のことをいうようです。
司法試験に合格している訳ではないので、「弁護士」ではなく「沖縄弁護士」という名称を使用することが義務づけられているとのことです。
例えば、名刺等には「弁護士川越伸裕」ではなく、「沖縄弁護士川越伸裕」のように記載しなければなりませんし、事務所の看板も「流山法律事務所」ではなく「流山沖縄弁護士法律事務所」と記載する必要があるとのことです。
今回の懲戒は、このような名称を使用せず、「弁護士」や「法律事務所」との表示をしていたことを理由として、懲戒がなされたようです。
沖縄弁護士は、現在9名いらっしゃるようですが、そのうち6名(報道では、懲戒請求を出されたのは8名)、実に3分の2が懲戒されたことになります。