2015.11.24更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

結納という儀式があることは、皆さんご存知ではないかと思います。正式に婚約する証として、結婚する両家が、金銭や品物を取り交わす儀式のことです。

 

結納をした後、そのまま結婚してくれれば問題はありませんが、問題は、結納がなされた後に婚約が破棄されてしまった場合です。この場合、結納で渡した金銭や物品について、相手から返還してもらえるのでしょうか。

 

この点、結納の性質については、一般的に、婚姻が不成立であったときには、遡及して効力を失う贈与契約である、と解釈されています。

 

裁判所も、結納を、当事者や領家間の交流を厚くする目的でなされる一種の贈与であって、婚約が解消になったときは、上記目的を達成する必要がなくなったのであるから、結納を受け取った側は、不当利得として結納を送った方に返還すべきであるとしています。

 

もっとも、結納を渡した側に婚約破棄の原因がある場合(例えば、浮気をした場合)には、結納の返還を求めることができない場合もあるでしょう。

 

なお、当事者が事実上の夫婦(内縁)又は法律上夫婦になったときには、結納の目的は達成されたことになりますので、その後、別れたとしても、結納の返還義務は生じないことが原則となります。

 

もっとも、夫婦の実態がない場合、例えば、入籍したがすぐに離婚してしまった場合(「成田離婚」というドラマもありましたね。)などには、実質的に結婚がなされなかったものとして、例外的に結納の返還を求め得る場合もあるでしょう。

投稿者: 流山法律事務所

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