流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。
夫婦の一方と、もう一方の実家とのトラブルというものは、よくあることです。特に、新居がもう一方の実家と近いときには、舅や姑との関係も密になり、その結果、価値観の違い等からトラブルになってしまうことが多いようです。
例えば、妻の料理や掃除に文句をつけてきたり、育児方法に注文をつけてきたり、時には、妻の悪口を夫に言う、など、さまざまなトラブルがあります。
このような、舅・姑とのトラブルを理由に、離婚することはできるのでしょうか。舅・姑とのトラブルが、離婚原因である「婚姻関係を継続し難い重大ない事由」に該当するか否かが、問題となります。
結論から申し上げると、単に舅・姑などの親族との折り合いが悪いということだけでは、基本的に、婚姻関係を継続し難い重大な事由に当たらないと考えられます。離婚原因があるか否かは、結婚相手との夫婦間の問題であり、相手方配偶者との関係が最も重要視されるからです。
もっとも、舅や姑の干渉が、第三者から見ても明らかに常識を逸脱しており、夫婦の共同生活を継続することが困難であるような場合であれば、離婚が認められる余地もあり得ると思われます。特に、配偶者が舅・姑の干渉などの事実を知りながら、それを放置していたり、一緒に暴言を振るうなどといった事情がある場合には、婚姻関係を継続し難い重大な事由があると認められる可能性があるでしょう。
具体的な対処法としては、相手方配偶者の親族と折り合いが悪い時は、そのことをきちんと配偶者に伝え、対応についてよく話し合うべきです。このような場を何度か設けたにもかかわらず、配偶者が何も行動をしないで状況の改善がみられないとか、配偶者が親族の立場に立って、こちら側をないがしろにする等の行動があれば、婚姻を継続し難い重大な事由があり、婚姻関係が破たんしたとして、離婚が認められることとなるでしょう。