2015.08.26更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

隣の家で飼育されているペット(犬など)に噛まれて怪我をしてしまったとき、治療費や慰謝料の請求をすることはできるのでしょうか。

 

まず、隣家の外で噛まれてしまったときのことを考えてみます。

 

隣家の管理が悪く、ペットが外に逃げ出して人を噛んだ場合は、飼い主の落ち度があると考えられます。この場合は、治療費はもちろん、精神的苦痛に対する慰謝料も認められ得るでしょう。

 

ペットを散歩に連れ出している途中に、人を襲った場合も、飼い主の落ち度がないということができる特段の事情がなければ、治療費と慰謝料の支払いを求めることが可能であると思われます。

 

子どもなど、ペットの行動を十分に制御できない年齢の者が、散歩に連れ出して、人に危害を加えた場合にも、ペットの管理についての飼い主の落ち度が認められるため、治療費等の支払いを求めることができるでしょう。

 

次に、隣家の敷地内で噛まれてしまったときのことを考えてみます。

 

家には、通常、他人が所用で家に来る可能性を予測できるはずですから、他人が来たときに危害を加えることができるような場所・方法でペットを管理してはならないはずです。したがって、敷地内であっても、管理に問題があったとして、治療費や慰謝料の支払いを請求することが可能でしょう。

 

家の門柱に「猛犬注意」などの張り紙をしてあることがありますが、このような張り紙があったとしても、飼い主の責任を免れるものではありません。危険な態様での飼育をしていれば、賠償請求が認められるものと考えられます。

 

一方で、きちんと檻に入れられている犬に手を出して噛まれてしまったような場合には、飼い主の落ち度が認められず、賠償請求ができない場合もあり得ます。

 

また、窃盗の目的で、家に侵入したところ、防犯の目的で放し飼いにされていた犬に噛まれたなどの場合には、正当防衛により、損害賠償が認められないこととなるでしょう。

 

最後に、不注意でペットが人に危害を加えた場合には、業務上過失致傷の罪に問われる可能性があります。ペットをけしかけて、あえて人に危害を加えた場合は、その怪我の程度に応じて、傷害や殺人未遂の罪に問われることもあり得ます。

 

投稿者: 流山法律事務所

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