2015.08.07更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

夫が不貞行為(いわゆる「浮気」)をしていた場合、妻は、誰に対して、どのような請求をすることができるのでしょうか。

 

まず、妻は夫に対して、離婚を請求することができます。民法上も、離婚事由として、配偶者の不貞行為が挙げられています。もちろん、離婚に際しては、慰謝料の請求等をすることも可能です。

 

なお、様々な理由(例えば、子どもの問題など)で、離婚をしないことにしたとしても、夫に対して、慰謝料の請求をすること自体は可能であると思います。もっとも、夫の財産が妻に移動するだけで、夫婦全体の財産で見れば、一円の得にもならない(場合によっては、弁護士費用などで損をしてしまいかねない)ため、慰謝料の請求のみをする実益は乏しいものと思います。

 

次に、妻は、浮気相手の女性に対して、慰謝料の請求をすることが考えられます。認められる慰謝料額は、ケースによって異なるでしょうが、浮気によって離婚に至るような場合には、150万~300万円程度であることが多いのではないかと思います。

 

この慰謝料の請求に対して、浮気相手側は、①浮気のとき、婚姻関係が既に破たんしていたとか、②夫が結婚しているとは知らなかった、などと反論してくることがあります。

 

このような反論が認められてしまうと、慰謝料が認められなくなってしまいます。①については、別居しているかや、離婚に向けた話し合いが行われているか等の事情、②については、浮気相手が結婚の事実を認識していたことを示す事情の有無によって、判断されることとなります。複雑かつ重要な争点となりますので、弁護士にご相談になることをお勧めします。

 

なお、浮気相手側が夫に対して、何らかの請求をすることはできるのでしょうか。

 

まず、浮気相手が、妻に慰謝料の支払いをしたとき、夫に対して、求償してくる可能性があります。

 

具体的には、浮気相手が妻に200万円支払った場合、例えば半額の100万円を負担せよ、と、浮気相手が夫に請求してくる可能性がある、ということです。

 

浮気は、浮気相手の女性と夫の二人でした不法行為ですので、片一方だけに損害賠償させるというのは、公平ではありません。その観点から、このような求償が認められている訳です。

 

では、浮気相手の女性から夫に対して、何らかの損害賠償請求をすることは考えられるのでしょうか。

 

原則としては、上記のような請求が認められることはないものと考えられます。もっとも、夫が独身であると嘘をついて交際し、浮気相手も、夫が独身であると過失なく信じていたような場合には、浮気相手の女性独自の損害賠償請求が認められる可能性があると思います。

投稿者: 流山法律事務所

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