2015.06.19更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

先日、「うるう秒」がなくなるかもしれないというニュースを見ました。

 

うるう秒とは、地球の自転速度が変動するために生じる「ずれ」を修正するために、追加(又は削除)される秒数のことをいいます(ちなみに、「うるう」とは、「余分な」という意味だそうです。とすると、1日が余計に付け加えられる「うるう年」は用法として誤っており、「うるう日」というのが正確なのではないでしょうか)。

 

通常ですと、例えば午前8時59分の1秒後は午前9時になりますが、うるう秒の場合は、午前8時59分60秒となり、1秒が余計に付け加えられることになります。

 

このうるう秒について、調整が手間となり、システム障害が起こってしまう等の弊害が生じることがあります。特に、近年は、生活のあらゆる場面が高度にネットワーク化されていますので、少しの調整ミスが大きな問題を引き起こしかねません。

 

一方で、時間が1秒くらいずれたとしても、生活には何の問題もありませんよね。

 

そのため、「うるう秒は廃止してもいいんじゃないか」という議論が起こることとなったようです。

 

しかし、うるう秒を廃止することは、正確な時間表示を放棄するということでもありますから、反対意見も非常に根強いようです。

 

ところで、日本において、うるう秒を挿入するか否かは、どのようにして決定されるのでしょうか。勝手に挿入していい訳はありませんので、何らかの法的根拠があるはずです。

 

そこで、調べてみたところ、郵政省告示の「無線局運用規則第百四十条の規定に基づく標準周波数局の運用に関する事項」(長い!)なるものが、うるう秒を規定しているようです。

関連しそうな条項を挙げると、以下のとおりとなります。

 

五 通報される標準時は、協定世界時を9時間進めた時刻…とする。

 

七 1 (略)

2 国際間の取決めに従い、毎月1日(1月1日及び7月1日を第一優先日とし、4月1日及び10月1日を第二優先日とする。)の午前9時00分00秒の直前に、協定世界時においてうるう秒の調整が実施される場合がある。その実施については、あらかじめ公表する。

 

分かりやすく言えば、日本の時刻は、世界で話し合って決められた時間に9時間の時差を足したものである、とされているのです。

そのため、世界の話し合いでうるう秒を入れる、と決められれば、自動的に日本にもうるう秒が挿入される、ということになるのです(厳密には少し違うところもあるようですが、概ねこのように理解してよいかと思います)。

 

そして、うるう秒は、1月1日か7月1日(第一優先日の場合)の午前9時00分00秒の直前に、午前8時59分60秒を挿入することで調整するとされてもいます。

過去のうるう秒挿入の日を見ると、いずれも1月1日か7月1日となっていたのにも、ちゃんと理由があったのですね。

投稿者: 流山法律事務所

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