2015.04.28更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

退職するに当たって、会社から退職金を支払ってもらえない場合があります。このようなとき、どのように対処すべきなのでしょうか。

 

1 退職金規程がないとき

退職金は、当然にもらえるものではありません。会社の規則(就業規則や賃金規程、退職金規程など)によって退職金の支給が定められていて、はじめて支給を受けることができます。

 

もっとも、退職金規程がなくても、慣例として退職者に退職金が支払われることとなっていた場合などには、退職金の支給を受けることが出来る可能性があります。

 

そこで、会社に退職金に関する規程がなかったとしても、以前に退職した人に、退職金が支払われていた実績があるか否かを調査すべきであるといえます。

 

2 退職金規程があるとき

退職金規程があるときは、退職金を受給する権利がありますので、その規程に基づき、退職金を請求することとなります。

退職金規程には、退職金額の計算方法(勤続年数や基本給額から算定することが多いと思います。)が定められていますので、その計算に基づいて請求をするわけです。

 

しかし、退職金規程があるとしても、すべての従業員に退職金が認められるわけではありません。

例えば、勤続年数3年未満の従業員には退職金を支給しないこととされていたり、懲戒免職だったりした場合は、退職金の支給を受けられない(又は減額される)などの規定がなされていることがありますので、注意が必要です。

 

3 以前に担当した実例

勤続約40年の従業員が退職する際、退職金の支給を受けることができませんでしたので、労働審判を申し立て、退職金の請求を行いました。

 

会社側は、退職金規程がなく、退職金を支払う必要はないと主張しましたが、調査の結果、以前より、退職した従業員に退職金が支払われていた事実が明らかになりました。

 

そのため、裁判所は、最近の退職金の支払基準に則って、退職金の支払い(請求額の半額程度)をせよとの調停案を提示し、双方が同意した結果、退職金の支払いを受けることができました。

投稿者: 流山法律事務所

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