2015.03.06更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

昨年、ある財団によって、4月4日が、「養子の記念日」に指定されました。「よ(4)うし(4)」で、4月4日なのだそうです。

 

養子制度は、余りなじみのない制度かも知れませんが、親子関係にない者同士を、法律上、親子関係があるものとすることができるものです。

 

養子縁組をすれば、養子は、実の子と(ほとんど)同じ権利を取得することになります。とはいえ、養子は、養子縁組をしたからといって、元の親(実の親)との法的な関係が切れるわけではありません。また、養子は、例えば戸籍謄本の続柄欄に「養子」と記載されてしまうなど、書類を確認すれば、すぐに養子縁組をしたことが明らかになってしまいます。

 

このような事態を避けるため、例えば、生まれたばかりの赤ちゃんを養子にもらう際、実子として届け出をしてしまおうとお考えになるかも知れませんが、これは、いわば戸籍簿にうそを記載させる行為ですから、公正証書原本不実記載罪(長い!)という犯罪になってしまいますので、おすすめできません。

 

このような問題を解決する方法として、「特別養子縁組制度」があります。

これは、(1)夫婦の両方が養親となる、(2)少なくとも養親の一人の年齢が25歳以上、もう一人が20歳以上、(3)養子の年齢が原則として6歳未満、(4)養子の実父母の同意、(5)実父母による監護が著しく困難又は不適切であること、その他特別な事情がある場合において、子の利益のため特に必要であると認める事情があること、の5つの要件がある場合に、家庭裁判所が審判によって縁組を成立させるものです。

 

これにより、特別養子と実の親との法律関係は、(ほとんど)消滅することになります(まったくの他人になるわけではありません。例えば、特別養子と実の親とは、結婚することができません。)。

 

戸籍も、実子に準じた記載(「養子」ではなく、「長男」「長女」などの記載)がなされますので、一見して養子であるかどうか、分からないように配慮されています。

 

もっとも、見る人が見れば、特別養子がなされていることはすぐに分かります。その意味では、行政には、戸籍の記載方法をもう少し考えてもらいたいものです。

投稿者: 流山法律事務所

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