2015.03.05更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

先ほど、南流山駅前を救急車が大きなサイレンを鳴らしながら走っていくのを見ました。松戸か流山のどこかで火事があったのではないかと思います。大事にならないことを願っています。

 

そこで、今回は、「引き渡される前に燃えてしまった家」についてお話ししたいと思います。

 

Aさんが家を買おうと考え、家の持ち主であるBさんと契約を済ませて、引き渡されるのを待っていたところ、運悪く家が燃えてしまった、という事例を考えてください。Aさんは、契約したとおり、建物の代金を支払わないといけないのでしょうか。

 

燃えてしまった家にお金を支払うのは、何かおかしい気もします。一方で、すでに契約しており、家はAさんのものなのだから、その損失はAさんが負担すべきようにも思います。

 

民法は、このようなとき、まず、誰に火事の責任があるのかで、お金を支払う必要があるかないかを判断しています。たとえば、Bさんが火を出して家を燃やしてしまったときには、Bさんが責任を負うべきですので、Aさんは、民法上燃えてしまった家の代金を支払う必要はありません。

 

一方、火事の発生が、Bさんの責任ではないときがあります。雷が落ちて家が燃えてしまったり、隣の家から出た火事が延焼して家が燃えてしまったりした場合です。

 

そのような場合、民法は、損失をAさんが負担すべきである、すなわち、Aさんは、契約に定められた建物の代金をBさんに支払わなければならない、と規定しています。

 

とはいえ、実際に引き渡されていない家の代金を支払わなければならないとすると、Aさんにとっては、泣きっ面に蜂、です。マイホームは手に入らない、建物代金は支払え、では、いくらなんでも可哀想だとは思いませんか。

 

そのため、実務上、例えば「地震などの天災や火災などが原因で、不可抗力により建物が壊れた場合には、その損害は売主(B)が負担する」などの特約条項を家の売買契約書に記載しておき、買主(A)の不利益が大きくならないような対応を取ることがよく行われています。

 

また、このような特約がない場合であっても、家の売買契約をすると同時に、火災保険をつける等して、万が一の対策を講じておけば、重大な不利益を免れることができるでしょう。

投稿者: 流山法律事務所

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