2015.03.28更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

相続が発生したとき、相続権を有する相続人の範囲は、法律上定められています。具体的には、亡くなった方(被相続人)の配偶者、子ども、直系尊属(父母、祖父祖母など)、兄姉弟妹と定められているのです。

ところで、相続について相談を受けていると、上記のような相続権を有する人の範囲に含まれるか、判断に迷う事例がたびたび出てきます。

 

たとえば、被相続人と「養子縁組」をした子どもに、相続権があるか、という問題です。

 

確かに、養子は被相続人と生物学的な親子関係にありません。しかし、法律上、被相続人と親子関係にある者とされていますので、養子は相続人の範囲内にあるということができます。

 

では、被相続人と内縁関係にある方はどうでしょうか。

内縁は、婚姻届を出さない、事実上の婚姻関係ですから、法律上、被相続人と婚姻している配偶者であるとはいうことができません。したがって、相続人の範囲内にあるということはできません(もっとも、被相続人の面倒を見ていたなどの事情があれば、寄与分などの主張が可能であることもあるでしょう。)。

 

では、内縁の妻との間の子どもには、相続権があるのでしょうか。

 

確かに、子どもは被相続人と生物学的な親子関係があることは間違いありませんが、被相続人と母とが婚姻していない以上、法律上の親子関係はないものといわなければなりません。とすれば、内縁の妻との間の子どもには、相続権がないこととなります。

 

もっとも、被相続人が子どもに遺産を与えるとの遺言書などを作成していたり、子どもを養子に取っていたりした場合などには、子どもにも相続権が発生することとなります。

 

また、被相続人が、子どもを認知していた場合には、法律上の親子関係が発生しますので、相続権もまた生じることとなります(認知は、被相続人死亡後も可能ですので、遺言書や養子縁組などの対策が取られていない場合は、所定の期間内に認知の訴えを提起すればよいこととなります。)。

 

認知後の子どもの相続分は、民法上、嫡出子の半分と規定されていますが、昨今、かかる規定は憲法に反するとの最高裁の判断が下されましたので、今後は、嫡出子と同じ割合の相続をすることとなると思われます。

投稿者: 流山法律事務所

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