2015.02.27更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

昨日、遺言書を隠匿したり破棄したりしてしまった場合、相続権を失う結果となる、とご説明しました。今日は、このほかに、相続人が相続権を失う場合があることについてお話しします。

 

昨日は、民法891条をご覧いただきました。遺言書の隠匿や破棄については、民法891条のうち、5号(5番目の項目)に規定されています。

 

こう申し上げると、皆さんは、「じゃあ、1番目から4番目は?」と疑問に思われると思います。実は、1番目(1号)から4番目(4号)にも、相続人が相続権を失う場合について規定されているのです。

 

まず、第1号(1番目)には、「故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者」は、相続人から排除される規定があります。

つまり、被相続人(例えば親)を殺したり、相続人(例えば兄弟)を殺したりした者については、相続人とはなれなくなるのです。

 

次に、第2号(2番目)には、「被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。」との規定があります。

被相続人の死亡が、殺害であったにもかかわらず、告訴告発をしないで放置していると、相続人から排除されてしまう可能性があるのです。

 

また、第3号(3番目)には、「詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者」が、第4号(4番目)には、「詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者」が、それぞれ規定されています。

被相続人の自由な遺言書作成を妨げた以上、このような相続人から相続権をはく奪することこそが正義に適う、と考えられているからでしょう。

投稿者: 流山法律事務所

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