2015.02.21更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

私事ですが、最近、後輩の弁護士や弟など、私の下の世代で、結婚が相次いでいます。そのためという訳ではありませんが、今日も夫婦関係のトラブルについてお話ししたいと思います。

 

夫婦関係でトラブルになる原因の一つに、「嘘をつく」というものがあります。夫婦間の嘘は、夫婦関係を続けるに当たって、良くないことでしょうが、法的には、夫婦間の嘘は、どのように規定されているのでしょうか。

 

例えば、民法には、「夫婦間で契約したときは、夫婦間の契約は、婚姻中いつでも、夫婦の一方から取り消すことができる」と規定されています。

つまり、民法上は、婚姻中の夫婦は、以前約束した契約を、一方的に取り消してもよいと規定しているのです。夫婦間の問題については、自分たちで話し合ってなんとかしなさい、というのが法の考え方であるから、このような規定が設けられたものと思われます。

 

しかし、注意していただきたのは、上記の条文の「婚姻中いつでも」という部分です。

これは、「離婚するまではいつでも」という意味ではなく、「婚姻関係が破綻するまではいつでも」という意味に捉えるべきであると考えられています。離婚が成立していなくても、別居するなどして、婚姻関係が事実上消滅していれば、夫婦間の契約の一方的な取り消しは許されないのです。

婚姻関係が破綻しているときには、夫婦間で話し合ってなんとかすることができないのですから、上記の民法の規定を適用することは不適当であるからです。

 

つまり、「預金のうち1000万円をあげる」とか、「この土地をあげる」などの約束(契約)が書面などでなされていれば、それを夫婦関係破綻後に、勝手に反故にすることはできないことになります(書面によらないで贈与契約がなされていた場合は、書面によらざる贈与として、撤回されてしまう可能性があります。)

 

いくら夫婦関係が良好でも、相手との契約は、慎重に行うべきことがお分かりいただけるでしょうか。

 

投稿者: 流山法律事務所

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