2015.02.14更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

前回は、地代の減額請求についてお話ししました。

今回は、地代の増額請求をされた場合はどうするか、お話ししたいと思います。

 

柏市や松戸市の地価推移を良く見なおしてみると、中心部では地価が上昇に転じているところもあるようです。もちろん、バブル期のような地価になることはないと思いますが、今後、安定して地価が上昇していく可能性もあります。

 

そのように、地価が上昇し、近隣の地代に比べて、地代が安くなってしまうこともあります。そのようなとき、賃貸人(大家さん)から、地代の増額請求がなされることがあります。

 

減額請求のときにお話ししたように、まずは、大家さんから、地代を上げたいとの話し合いの打診があると思います。地代が上がるのがやむを得ないとお考えならば、その話し合いに応じて、地代を決めればよいだけです。

 

話し合いがまとまらない場合、大家さんは、調停や裁判で、地代の増額を求めてくることになるでしょう。その際、①土地に対する租税その他の公課の増減、②土地の価格の上昇若しくは低下、③その他の経済事情の変動、④近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったとき、に当たると判断されてしまえば、賃料の増額が認められてしまうこととなります。

多くの場合、専門家の鑑定等により、地代の増額の有無が決められるであろうことは、賃料減額のときと同様です。

 

もっとも、地代の増額請求がされたからといって、ただちに増額分の賃料を支払う必要はありません。

 

賃借人(土地を借りている人)としては、地代の増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等を支払うことをもって足りることとなります。

通常は、これまでの地代を支払い続けていれば、賃貸借契約を解除されることはありません。

 

ただし、賃料の増額が妥当であるとする判決が確定してしまえば、その差額に年1割の利息を付して、大家さんに支払わないといけません。調停や裁判の期間によっては、かなりの負担を強いられる可能性があります。

 

ところで、賃借人は、地代の増額が正当であるとする裁判が確定するまでは、相当な地代を支払っていれば足りる、と上記でご説明しました。

 

大家さんが、大人しく地代を受け取ってくれればいいのですが、「こんな額の地代なら受け取らない。」と言って、地代を受け取ってくれないこともあり得ます。

 

そのようなとき、地代を支払わないで放っておくべきではありません。

地代の「供託」という手段を用いて、地代支払債務を免れておくべきでしょう。

 

この「供託」手続きについて、次回、お話ししたいと思います。

投稿者: 流山法律事務所

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