2015.02.26更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

相続が発生した場合、遺言書があれば、基本的に、その遺言書に則って遺産の分配が行われることとなります。しかし、遺言書は、亡くなった方の遺志に基づいて作成されるものですから、相続人間において、相続額に多寡が生じてしまうことがあります。

 

例えば、相続人が長男・二男・三男の三人だけだった場合、遺言書がなければ、遺産は3分の1ずつ配分されることになりますが、遺言書があれば、例えば長男に6分の4、二男・三男に6分の1ずつ相続させる、ということも可能になるわけです。

 

このように、遺言書によって、配分される遺産額が少なくなってしまう相続人にとっては、遺言書が、いわば「邪魔」になることもあるのです。

 

では、かかる遺言書を隠したり破棄したりしてしまったらどうなるのでしょうか。民法は、以下のように、このような場合の規定を定めています。

 

民法891条 次に掲げる者は、相続人となることができない。

5  相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

 

つまり、遺言書を隠したり破ったりした人は、相続を受ける権利を失うということになります。遺言書を隠す等した者は、被相続人の遺志をないがしろにし、家族の協同関係を破壊したといえますので、遺産を取得できなくなっても仕方ないとされているのです。

 

たとえ、遺言書の内容が自身にとって不利なものであっても、隠したり破棄したりすれば、もっと重い結果を招くこととなりかねません。お気を付けください。

投稿者: 流山法律事務所

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