2015.01.29更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

相続をすることになったとき、取り得る手段は、3つあります。

 

1つ目は、「単純承認」という手段です。

しかし、これは、亡くなった方の権利義務関係をすべて相続する、ということです。プラスの財産だけならばよいですが、「マイナスの財産」(簡単に言えば借金です)がたくさんあった方の場合、単純承認をしてしまうと、その借金まで引き継がなければならなくなってしまいます。

 

2つ目に、「相続放棄」という手段があります。

これは、亡くなった方の権利関係をすべて放棄する、ということです。

亡くなった方に借金がたくさんある場合は、相続放棄をすれば、その借金を引き継ぐ必要はありませんが、もしプラスの財産がどこかにあったとしても、それを受け継ぐことはできなくなってしまいます。

 

3つ目に、「限定承認」という手段があります。

これは、相続財産を責任の限度として相続する手段のことをいいます。簡単に言えば、亡くなられた方の財産で借金を弁済した後、余りがあればそれを相続することができるという手続きです。

プラスの財産があるときだけ遺産を相続するという、いわば「虫のいい」手続きですが、かなり複雑な手続きを要求されています。そのため、利用する方はあまりいないのが現状のようです。

 

これらの手続きのうち、「相続放棄」と「限定承認」は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、裁判所への申し立てをしなければなりません。もし、手続きをしなければ、単純承認したこととなってしまうのです。

 

では、亡くなった方の財産関係が複雑で、3か月以内に財産関係を把握することができない場合は、どうしたらよいのでしょうか。

 

このようなときは、家庭裁判所に、上記の3か月の期間延長の申請をすることが可能です。裁判所が申請の内容を検討し、期間を延長する決定を出してくれれば、その延長された期間中に、ゆっくりと調査をすることができます。

 

一度延長をしても、調査が終了しない場合は、再度延長の申請をすることも可能ですが、一回目よりも、審査は厳しくなるのではないかと思います。

一度目の延長で調査が満了しなかった理由や、再度延長を求める理由、どのような調査を、あとどれくらいすればいいのか等を、具体的に裁判所に伝える必要があるでしょう。

投稿者: 流山法律事務所

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