内縁関係・婚約関係にある人からの慰謝料請求

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

夫婦が離婚するとき、離婚の責任のある方から責任のない方へ、慰謝料が支払われることがあります。例えば、夫の浮気が原因で離婚するときは、責任のある夫が責任のない妻に対して、慰謝料を支払うこととなります。

 

では、夫婦関係にない場合はどうでしょうか。

 

婚姻届けは出していないが、事実上婚姻していると思われる関係(「内縁関係」といいます)にあれば、婚姻している場合に準じて考えることができます。相手が浮気をしたことが原因で内縁関係が解消されれば、慰謝料の請求も可能であると考えられます。

 

では、内縁関係までは認められないが、婚約していると認められる場合(例えば、結婚式場を予約しているとか、婚約指輪を渡されているなどの場合です)はどうでしょうか。

 

相手が浮気をして婚約が破棄された場合は、結婚を信じてきたことへの裏切りによって、精神的苦痛が生じているといえます。とすれば、ある程度の慰謝料の請求も可能と考えられます。

もっとも、婚姻関係にある場合や内縁関係にある場合に比べれば、慰謝料の額は比較的低額となるのではないかと思います。