2017.02.25更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

弁護士法という法律によれば、弁護士は、弁護士法や弁護士会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があったときは、懲戒を受けるとされています。弁護士が、法や会則に反する不始末をしでかしたときに、制裁を加える、という規定です。

 

弁護士に対する懲戒は、次の4種類があります。

①戒告(弁護士に反省するよう求め、怒る処分)

②2年以内の業務停止(弁護士の仕事をしてはいけない期間を設ける処分)

③退会命令(弁護士の資格は失いませんが、仕事ができなくなる処分)

④除名(弁護士の資格も失い、仕事ができなくなる処分)

 

弁護士が懲戒されたときは、官報に公告されるほか、「自由と正義」という日弁連の雑誌にも掲載されます。

 

さて、2017年2月号の自由と正義には、17件もの懲戒が公告されておりました。

今月は懲戒が多いな、と思いながら目を通していたのですが、懲戒のうち6件は、「沖縄弁護士」に対する、同内容のものでした。

 

私も詳しくは知らなかったのですが、「沖縄弁護士」とは、太平洋戦争後、沖縄が本土復帰するに当たって、特例で弁護士をする資格を認められた弁護士のことをいうようです。

司法試験に合格している訳ではないので、「弁護士」ではなく「沖縄弁護士」という名称を使用することが義務づけられているとのことです。

例えば、名刺等には「弁護士川越伸裕」ではなく、「沖縄弁護士川越伸裕」のように記載しなければなりませんし、事務所の看板も「流山法律事務所」ではなく「流山沖縄弁護士法律事務所」と記載する必要があるとのことです。

 

今回の懲戒は、このような名称を使用せず、「弁護士」や「法律事務所」との表示をしていたことを理由として、懲戒がなされたようです。

沖縄弁護士は、現在9名いらっしゃるようですが、そのうち6名(報道では、懲戒請求を出されたのは8名)、実に3分の2が懲戒されたことになります。

投稿者: 流山法律事務所

2017.02.20更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

働いている会社の業績不振が原因で、給料が支払われなくなってしまった場合、どのように対応すればよいでしょうか。

 

まず、前提として、仮に会社の業績が悪化していたとしても、それを理由に給料を支払わないようにすることはできません。給料が支払われなければ、労働者は生活をすることができなくなってしまうからです。

 

そのことから、労働基準法という法律では、賃金支払いのための原則を定め(24条)、給料の支払いがきちんとなされるようにして労働者を保護しています。

 

従って、経営不振であるからといって、給料を労働者の同意なく支払わないということは違法であり、許されません(なお、給料の支払いが遅れる「遅配」についても、同様の理由から許されません。)。

 

このような場合には、まず、会社に給料の未払いが違法であることを伝え、速やかに給料を支払うよう請求するという対応を取るべきでしょう。それでも未払いが改善されない場合には、労基署などの公の機関へ相談することも検討すべきです。

 

それでも給料の支払いが受けられない場合には、裁判所へ訴訟や労働審判といった手続きを申し立て、解決を図らなければなりません。

 

いずれの方法を取るべきであるかは、それぞれの事件の具体的事情によって異なるものといえます。選択に迷った場合には、ぜひ弁護士への相談をされることをお勧めします。

投稿者: 流山法律事務所

2017.02.06更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

お子さんが、不適切と思われる者(例えば暴力団関係者)と同棲し、結婚を希望している場合、親としてお子さんをその者から引き離すことができるのでしょうか。

 

まず、お子さんが成年している場合、結婚は当事者の同意でできてしまいますので、お子さんの意思が固い場合、親としてできることは、説得し翻意を促す以上のことはできないと思われます。

 

次に、お子さんが未成年者の場合はどうでしょうか。例えば、お子さんがまだ小学生である場合(ほとんどないケースでしょうが)のように、お子さんの判断能力がないと判断される場合には、子どもの連れ去りの問題として、警察に相談する(誘拐に当たり得ます)とか、子の引き渡し請求を行うなどの方法により、お子さんを引き離すことが可能でしょう。

 

問題は、お子さんが高校生くらいで、意思能力が十分に備わっていると考えられる場合です。この場合は、お子さんの意思で同棲したのであれば、連れ去りには当たりませんので、お子さんを引き離すことは難しくなってきます。

 

民法上、親権者は、子どもについて、住む場所を決める権利(居所指定権といいます。)がありますので、お子さんに住む場所に戻ってくるよう求めることもできますが、お子さんがそれに従わない場合には、無理矢理連れてくることができませんので、実効性に乏しいものといえます。

 

お子さんが説得に応じない場合、ご両親としては、お子さんに対し、同棲をやめて居所に帰ってくるよう、説得をするほかなさそうです。

 

なお、お子さんが結婚を希望したとしても、未成年者であるうちは、結婚には親権者の同意が必要ですので、同意をしなければ、結婚をさせないことは可能です。もっとも、籍を入れなくても、事実上の結婚生活(事実婚)をすることは可能ですし、上記のとおりお子さんが成人すれば、結婚は当事者の意思のみでできてしまいますので、結婚を妨げることはできなくなってしまうでしょう。

投稿者: 流山法律事務所

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