2015.02.08更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

前回、残業代が支払われない「管理監督者」についてお話ししました。

今回は、管理監督者性の判断基準についてお話しします。

 

管理監督者については、行政から、通達と呼ばれる基準が出されています。

その中で、管理監督者の判断基準を定めた通達がいくつかあります。例を挙げれば、①昭和63.3.14基発第150号、②昭和52.2.28基発第104号の2、同105号、③平成20.9.9基発第0909001号、④平成20.10.3基監発第1003001号などが挙げられます。

 

また、管理監督者については、たくさんの判例が出されています。

 

これらの通達や判例の基準によれば、おおむね次の①~③の基準で、管理監督者性は判断されているようです。

 

①職務内容・責任・権限についての判断要素

社員が、少なくとも会社の一部門を統括するような立場・権限を有していたこと、職務内容や権限が、部下の労務管理等を含む事業経営上重要な事項に及ぶか等を判断。

 

②勤務態様についての判断要素

出退勤の自由があるか(好きな時間に出退勤できるか)、業務を自己の裁量で行うことができるか(自分の判断で仕事をすることができるか)等を判断。

 

③賃金等の待遇についての判断要素

給与又は賃金全体において、役職に見合った金額が支給されているか等を判断。低額の給与しか与えられていなければ、経営者と同一とはみなせませんよね。

 

これらの判断を総合して実質的に検討し、労働者が管理監督者に該当するかを判断することとなります。

 

管理監督者は、認められてしまえば、残業代の支払いが受けられなくなる、きわめて重大な影響を及ぼす問題です。

管理監督者について争いが生じた際には、すぐに流山法律事務所までご相談ください。

投稿者: 流山法律事務所

2015.02.07更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

残業をすれば、原則として、残業代をもらうことができます。

残業代を科すことによって、会社の経営者がたくさん残業をさせることをためらい(余分に残業代を支払わないといけなくなるから)、時間外労働を抑制することが期待されるため、残業代の支払いが法律で定められているのです。

 

しかし、例外的に、どんなに働いても残業代が支払われない人たちがいます。その中でも、良く例に挙げられるのが、いわゆる「管理監督者」と呼ばれる人たちです。

 

管理監督者とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある人のことをいいます。例えば、ある会社の部長が、会社を事実上運営するような立場にあり、部下の勤務状況の管理や評価、解雇、懲戒等の権限を有しているような場合、実態は経営者と同一であると評価されれば、残業代の支払いをしなくてもよいこととなっているのです。

 

なぜならば、管理監督者は、企業経営上の必要から、経営者との一体的な立場において、同法所定の労働時間等の枠を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないものといえるような重要な職務と権限を付与され、また、賃金等の待遇やその勤務態様において、他の一般労働者に比べて優遇措置が取られているので、労働時間等に関する規定の適用を除外されても、上記の基本原則に反するような事態が避けられ、当該労働者の保護に欠けるところがないためです。

 

それでは、残業代が支払われない「管理監督者」であるか否かは、いったいどのような基準で判断されるのでしょうか。

 

次回、管理監督者の判断基準をお話ししたいと思います。

投稿者: 流山法律事務所

2015.02.06更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

先日、裁判に出るため、松戸簡易裁判所へ行ってきました。

流山法律事務所からは、車で行くよりも電車で行った方が早いですので、いつも新松戸駅経由で裁判所へ出頭しています。

 

ただ、ずっと気になっていることがありました。馬橋駅から出ている、流山電鉄のことです。

 

流山法律事務所から徒歩15分くらいで、流山電鉄線の鰭ヶ崎駅に着きます。

流山市民となったからには、一回、乗ってみるべきであろうと、ずっと考えていましたので、良い機会と思い、馬橋駅で

流山電鉄に乗り換えてみました。

 

非常になつかしい感じのする電車でした。

思ったより、電車の本数も多く、しかも馬橋駅から鰭ヶ崎駅まで10分弱で到着するという、便利な路線であることがわかりました。

 

流山法律事務所から離れていなければ、松戸の裁判所へ行くために、もっと活用するのですが。

ぜひ、鰭ヶ崎駅~南流山駅間に支線を作っていただきたいというのが願望です(無理とは分かっているのですが・・・。)。

 

流山電鉄鰭ヶ崎駅

投稿者: 流山法律事務所

2015.02.05更新

千葉県弁護士会松戸支部所属の弁護士の川越伸裕です。

 

今日は、「軽犯罪法」について、お話ししたいと思います。

 

一昨日と昨日にご紹介した法律とは違い、「軽犯罪法」という名前は、皆さんもお聞きになったことがあるかも知れません。

しかし、どのような行為が軽犯罪として禁止されているか、その内容をご存じの方は、少ないのではないかと思います。

 

軽犯罪法は、第1条に、34項にわたる禁止事項を設け、これに反した場合は、拘留または科料に処すると規定しています。

なお、拘留とは、1日以上30日未満の期間、捕まえておくこと、科料とは、1000円以上1万円未満の額でなされる、罰金みたいなものです。非常に軽い刑罰ですね。

 

さて、禁止されている行為のうち、いくつかを挙げてみたいと思います。

 

2 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた場合

 

「隠して」いれば、いいのです。刃物でもなんでも、隠さずに堂々と持っていれば、軽犯罪法に反することはありません(銃刀法とか、何かの予備罪とか、別の法律で捕まると思いますが。)。

 

4 生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの

 

私は、司法試験に合格するまでは、このような生活をしていましたので、率直に「こんな法律なんか作るな、放っておいてくれよ。」と言いたくなります。

ホームレスの方も、もしかしたら、この罪に該当する可能性があるのでは?と思ってしまいます。

 

20 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させる仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者

 

嫌悪しなければ、「しり」「もも」「その他身体の一部」(←何処かは明言しないんですね)を露出しても軽犯罪にはなりません。公然わいせつ罪などにはなるかもしれませんが。

 

22 こじきをし、又はこじきをさせた者

 

私は、乞食、という言葉を、差別用語として認識していましたが、法律では、堂々と規定されています。何せ法律ですから、怖いものはありません。

 

23 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

 

浴室や便所を密かに覗き見る「正当な理由」って何でしょうか。

監視カメラなど、なのでしょうか(しかし、監視カメラはそこにあることが明らかに分かりますから、ひそかに覗き見たと言うことができるのか疑問に思いますが。)。

ともかく、法律を作った人は、浴室や便所を除く「正当な理由」が存在すると考えていたことだけは間違いありません。

 

このように、軽犯罪法には、いろいろツッコミ所が満載です。

ぜひ、一度、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

投稿者: 流山法律事務所

2015.02.04更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

昨日、「年齢計算に関する法律」をご紹介しました。

実は、似た名前の法律に、「年齢のとなえ方に関する法律」という、マイナーな法律があります。

 

この法律の主目的は、いわゆる「数え年」ではなく、「満年齢」で年齢を表す努力義務を負わせるところにあります。

 

この法律ができたのは、昭和24年のようですが(翌年施行)、この当時まで、「数え年」で年齢を表す方法が、広く用いられていたことが、この法律で分かります。

 

そもそも、「数え年」でなく満年齢を使用すべきことは、昨日ご紹介した「年齢計算に関する法律」でも規定されていました。

しかし、そのことが明示されていたわけでなく、しかも年齢計算に関する法律が、ぱっと見ただけではよく分からない法律であったため、従来と変わらず、「数え年」が使用されてきたのではないかと思います。

 

数え年では、例えば12月31日生まれの人は、当日に1歳、翌1月1日に2歳の誕生日を迎えることとなってしまい、実態に合わないことなど、問題もありますので、このような法律が制定され、満年齢を使用することになったそうです。

 

ほかにも、数え年より満年齢で数えた方が、年が一つ若くなりますので、みんな若返ることができて明るい気持ちになる、という理由もあったようですが、これはどうでしょうかね(笑)。

投稿者: 流山法律事務所

2015.02.03更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

日本には、余り良く知られていない、マイナーな法令がいくつもあります。

勉強や仕事をしていると、ときどき、このようなマイナーな法令に出会うことがあります。その中には、マイナーとはいえ、皆さんの日常生活に深く関係している法令もあったりします。

 

例えば、「年齢計算に関する法律」という法律があります。

年齢の数え方ですから、皆さんの生活に深い関係がある法律ですが、その内容を皆さんは、ご存じないのではないでしょうか。

 

年齢計算に関する法律は、次の3項から成っています(原文はカタカナ)。

1 年齢は出生の日より之を起算す

2 民法第143条の規定は年齢計算に之を準用す

3 明治6年第36号布告は之を廃止す

 

この法律は、皆さんが年を取る日が、「誕生日の前日の午後12時(24時)」であることが定めています(理屈はちょっと難しいので置いておいてください。)。

例えば、2月5日生まれの方は、法律上、2月4日の午後12時(24時)に年を一つ取ることになります。

 

なお、2月4日の午後12時(24時)と、2月5日の午前0時とは、同じ時間を指しているようですが、法律解釈上は、違う日であるとしています(法律のよくわからないところです。)。深く考えると、よく分からなくなりますので、余り深く考えない方がいい部分です。

 

ところで、よく、「2月29日の閏年生まれの人は、4年に一度しか年を取らない」と冗談で言われることがありますが、上記の法律解釈からすれば、この冗談が誤っていることが分かりますね。

2月29日生まれの人は、法律上、2月28日(の午後12時)に年を取るからです。

 

むしろ、4年に1度しか誕生日が来ない人は、3月1日生まれの人、と冗談を言った方が正しいのかも知れません(2月29日午後12時は4年に1度しかないため。)。

 

ちなみに、4月1日が、いわゆる「早生まれ」とされている理由も、4月1日生まれの人が年を取るのが、3月31日(の午後12時)であるからです。

 

もう一つ、具体例としては、「選挙権」が挙げられます。

選挙で投票できるのは、20歳以上ですが、投票日の翌日が誕生日の人も、投票をすることができることとなっています(期日前投票は、できません。まだ19歳ですから。)。

 

誕生日の前日に、年を取るという観点からすれば、誕生日の前日に投票日が決められれば、当日に投票することができるのは、当たり前ともいえます。

 

…しかし、誕生日の前日の午後24時に年を取るのであれば、投票時間中はまだ19歳なのであって、投票権はないはずである、とも考えられますよね。

ここも深く考えると、よく分からなくなってくる部分です。

取りあえずは、判例と公職選挙法の解釈により、誕生日の前日の投票が許されている、とお考えいただければと思います。

投稿者: 流山法律事務所

2015.02.02更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

遺言書を書いても、その記載内容のすべてが法律的な拘束力を持つものではありません。法律上、効力が発生する事項は、以下のように限定されています。

 

1 相続についての事項

(1)相続分の指定・指定の委託(民法902①)

法律で決まっている相続分(法定相続分)を変更することができます。例えば、「長男に遺産をすべて相続させる」などの指定ができます(ただし、遺留分の問題等が発生しうることになります。)。

 

(2)特別受益者の持ち戻し免除(民法903③)

すでに、贈与や遺贈を受けている共同相続人がいる場合、民法では、共同相続人間の公平を図ることを目的として、贈与分や遺贈分を相続財産に戻し(持ち戻しといいます。)、各相続人の相続分を計算することとしています。しかし、遺言により、この持ち戻しをしなくてよいとすることができます。

 

(3)遺産分割方法の指定または委託(民法908)

例えば、不動産は長男、株式は二男、預金は三男、というように、具体的な分割方法を指定することができます。

 

(4)遺産分割の禁止(民法908)

相続開始のときから5年を超えない範囲で、遺産分割を禁止することができます。この間、相続人全員が合意しても分割することはできませんし、家庭裁判所に対する遺産分割請求もできません。

 

(5)相続人相互の担保責任(民法914)

相続人が遺産分割の結果、取得した遺産に問題(損失)があったときに、別の相続人は、相続分に応じて、その損失を担保しなければなりませんが(民法911)、その担保責任の有無及び内容を指定することができます。

 

(6)遺留分減殺方法の指定(民法1034但書)

遺贈は、その目的の価額の割合に応じて減殺(遺産に戻すこと)することとされていますが、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従うこととなります。

 

 

(7)遺言執行者の指定または委託(民法1006)

遺言書の内容を実現するために、遺言書を執行する人(「遺言執行者」といいます。)を指定または指定委託することができます。

 

(8)相続人の廃除及び廃除の取り消しの請求(民法893、894②)

廃除とは、相続人としての資格を失わせることをいいます(廃除の取り消しは、相続人の資格を回復させることをいうことになりますね。)。

重大な効果をもたらすものですから、効力を発生させるためには、家庭裁判所の審判が必要とされています。

 

2 遺産分配についての事項

(1)遺贈(民法964)

遺言によって、遺産の全部または一部を処分する行為のことです。遺贈は、死亡後の遺産処分ですので、いわゆる「単独行為」で遺産の処分をすることとなります。

 

(2)財団法への財産拠出(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律157)

財団法人への財産の拠出(いわゆる「寄付行為」)を遺言で行うことができます。

民法の旧41条2項に規定されていましたが、削除され、別途「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」において規定されることとなりました。

(条文を見ようと思って民法41条の箇所を参照したら、削除されていて、ちょっとびっくりしたのは内緒です。)

 

(3)生命保険の受取人の変更(保険法44条)

 

(4)信託の設定(信託法3条2号)

 

3 身分関係についての事項

(1)認知(民781②)

婚姻外で生まれた子を、自分の子であると認める行為です。法律上の親子関係を発生させることとなります(相続人とすることができる、という効果が生じます。)。なお、認知は、生前でもできることはいうまでもありません。

 

(2)未成年後見人の指定(民法839)、後見監督人の指定(民法848)

親権者が、死後の未成年者の保護を考え、遺言で、後見人やその監督人の指定を行うことができます。もっとも、父母共同親権のときにおいて片方の親が亡くなった場合、例えば、父母のうち父親だけ死亡したときは、母親が親権を行えばよいわけですから、未成年後見人等の指定をすることはできません。

 

(3)祭祀承継者の指定(民法897)

遺言で指定がなされていれば、その人が祭祀の承継者となります。

 

おおむね、これらの遺言事項については、法的な効力が生じることとなります(抜け落ちがあったらご指摘ください。)。

 

これ以外の遺言は、法的な効力はなく、訓示や希望を述べるといった程度のものにとどまります。「兄弟仲良く暮らすように」などと遺言書によく書かれていることがありますが、これも、単なる訓示ということになり、子ども達の仲を法的に規定するものではありません。

 

最近では、葬式の方法、例えば「散骨して欲しい」なども、希望を述べたという程度のものであり、その希望に反しても、法的な問題は生じません。

 

もっとも、このような訓示的、希望的規定にとどまるものであっても、亡くなった方の最後の願いであることに違いはありませんので、可能な限りその希望に沿うようにすべきであると思います。

投稿者: 流山法律事務所

2015.02.02更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

先日、公図作成ミスが原因で土地の所有権を失った女性が国に損害賠償を求めた裁判で、国に登記の重複を知らせなかった責任を認め、800万円の支払いを命じる判決が下されたとのニュースを見ました。

 

ニュースによれば、土地が払い下げられた際に、土地の境界を確定する公図が誤って2枚作成されてしまっていたそうです。

 

これらの公図に基づいて、所有者が異なる2つの登記がなされていたため、女性は、土地の所有権確認を求める裁判を起こしましたが、もう一人の所有者がその土地を何十年も占有していたため、時効を理由に敗訴し、土地の所有権を失ったとのことでした。

 

二重に公図があったということ自体、ありえないことでしょうから、法務局は、早期の対応ができたはずであろうと思います。そればかりか、1つの土地で二重に固定資産税を取っていたということになりますので、役所も、状況の不自然さに早期に気づくことができたのではないかと思います。

 

上記判決でも、法務局は遅くとも1989年には公図と登記の重複に気づいていたと認定しています。なぜ、何の対応も取らなかったのか不思議でなりません。

 

ところで、公図とは、土地の境界や建物の位置を確定するための公の地図をいいますが、意外と間違いがあります。

私も、かつて、明らかに土地の位置がおかしい公図を見せてもらったことがあります。

 

単純な誤記や記載漏れであれば、簡単に法務局でも確認することができますので、比較的容易に公図の訂正をしてもらうことができます。

 

しかし、複雑な誤り(例えば、公図の土地の形状が間違っており、近隣の土地の形状などに影響を与えてしまうような場合。上記事件などは、まさに「複雑な誤り」といえるでしょう。)には、簡単に訂正してもらうことができません。

 

そのようなときは、当該土地の所有者が、公図に誤りがあることを証明して、法務局に公図訂正の申し出をしなければなりません。

そのために必要な測量などの費用は、公図の訂正を求める人が負担することになります。

 

もし、公図訂正の申し出をしても、訂正してもらえない場合、不服の申し立てはできませんので(訂正申し出は、単なる職権発動を求める申し出と解されています。)、改めて調査をして、再度訂正の申し出をする必要があるでしょう。

 

公図は、不動産取引をするときに必要不可欠な資料であるといえます。その資料に誤りがあると、取引自体が困難になるなど、不利益が生じかねません。

 

公図といえども、人の手によるものですから、誤りがあってもやむを得ないとは思いますが、大きな誤りを見つけた際は、すみやかに関係者に連絡するなど、不利益が増大することのないような対応を取ってもらいたいと思います。

 

 

投稿者: 流山法律事務所

2015.02.01更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

最近、子ども同士のトラブルの話をよく聞きます。

当人同士で仲直りすることができれば一番いいのですが、けんかで怪我をさせてしまったり、いじめが発生してしまったりすると、事は重大になります。

 

例えば、子どもが小学校でいじめに会ってしまったとき、誰に責任を追及することができるのでしょうか。

 

まず、学校に責任追及する可能性があります。

 

学校は、児童を保護する法的責任を負っています。教師は、いじめを発見し、いじめがあったときは、適切な対応(加害者側への指導や被害者側へのフォロー)を行い、子どもの生命や身体の安全を確保する必要があります。

被害者側としては、学校は、この義務を怠ったのではないかと主張し、責任を追及していくことになります。

 

また、いじめた子どもの親に責任追及することもできます。

 

年齢にもよりますが、小学生くらいの年齢であれば、子どもは責任無能力者(損害賠償責任を負わない者、と考えていただければ結構です。)ですので、子どもに責任を追及することはできません。

 

その代わりに、親には子どもの監督責任がありますので、その責任を十分に果たしていなかったと主張し、責任を追及していくことになります。

 

親などの責任が認められた場合、裁判所で認められる慰謝料額は、いじめの程度や生じた結果などにもよりますが、数十万円程度となることが多いのではないでしょうか(もちろん、いじめで自殺した、などの事情があれば、巨額の慰謝料額が認められると思います。)。

 

なお、いじめのために転校・転居を余儀なくされた場合、その転居費用なども請求しうる余地があると思います。

投稿者: 流山法律事務所

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