2015.09.26更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

夫が失踪(行方不明になってしまうこと)してしまい、生死が分からなくなってしまうことがあります。このようなとき、残された家族には、様々な問題が生じてしまいかねません。

 

例えば、家族の生活費を夫の財産から捻出することができるか、という点も、問題となります。夫婦とはいえ、夫の財産を勝手に使用すべきでないと考えられるからです(夫本人でなければ現金化できない財産もあるでしょうし。)。

 

この問題の解決方法としては、まず、失踪宣告をしてもらう方法があります。

 

失踪宣告については、以前、このブログでもお話ししましたが、失踪状態が7年間続く場合に、家庭裁判所に申し立てて、失踪者が死亡してしまったとみなしてもらう制度です。

 

失踪宣告がなされれば、夫は死んだものとみなされますので、相続が発生し、夫の財産を相続することとなります。そうすれば、妻は、生活費を夫の財産(相続で妻のものになっていますが)から支出することができる、という算段です。

 

もっとも、夫が死んだなどとみなして欲しくない、という人もいるでしょうし、失踪が7年間に達していない場合もあるでしょう。このような場合には、失踪宣告の制度は使えないことになります。

 

このような場合、妻は、夫の財産を管理する者を選んでもらうよう、家庭裁判所に求めることができます。財産管理人を選んでもらえれば、その管理人に、夫の財産を使用するか判断してもらうことができますので、妻としては、必要な生活費を管理人に請求し、支払ってもらうことができるでしょう。

 

なお、失踪が相当期間(1年くらい以上でしょうか)に及ぶ場合は、「悪意の遺棄」があったとして、離婚を請求することもできますので、夫婦関係を清算したい場合には、離婚訴訟を提起すればよいでしょう(失踪の場合は、調停を申し立てても無駄ですので、失踪している旨を説明し、いきなり訴訟をしてもよいものと考えられます。)。

投稿者: 流山法律事務所

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