2015.09.22更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

子どもが、親の財布からお金を持って行って使ってしまった場合、何らかの犯罪が成立し、子どもを処罰してもらうことができるでしょうか。

 

他人のお金を勝手に持っていくのは、窃盗という犯罪です。本件では、親子間でお金を勝手に持っていく行為が、窃盗罪に当たるかが問題となります。

 

この点、親族間の窃盗には、刑法244条に、特別の規定があります。

 

刑法244条

配偶者、直系血族又は同居の親族との間で、第235条の罪(窃盗)・・・を犯した者は、その刑を免除する。

 

これは、親族間の問題は親族で解決すべきであるという価値判断、いわゆる「法は家庭に入らず」という原則の趣旨に則った規定です。

 

この条文から明らかなように、親子間でお金を勝手に持っていく行為は、窃盗罪は成立するが、刑罰は免除される(=処罰してもらうことができない)こととなります。そのため、警察に子どもの窃盗について被害届を出しても、子どもが逮捕されることはないと思われます。

 

ところで、一定範囲内の親族間の窃盗は処罰されないとはいっても、これは、刑事上の問題であり、民事上、盗まれた物の返還を請求することは可能です。例えば、子どもが100万円を持って行ってしまった場合は、その100万円の返還を請求することができるのです。

投稿者: 流山法律事務所

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