2015.07.28更新

弁護士会松戸支部所属の弁護士の川越伸裕です。

 

子どものいる夫婦が離婚したとき、その子どもを育てている配偶者に対して、養育費を支払う必要があります。例えば、離婚をして、子どもを妻が育てているときは、夫は、養育費を支払う必要があります。

 

養育費で、問題になることが多いのは、①養育費額をいくらにするのか、②養育費をいつまで支払うことにするのか、という2点でしょう。

 

まず、①養育費額ですが、双方の収入や生活状況に応じて、一応の基準が定められています。「養育費算定表」などで検索していただければ、だいたいの養育費額が分かるのではないかと思います。

 

次に、②養育費をいつまで支払うのか、という問題ですが、一般的には、子どもが20歳になったときまで、とされることが多いと思います。20歳になれば、もう成人ですので、監護養育をする必要がない、という理屈からこのようにされることが多いものといえます。

 

もっとも、20歳以上の子どもの養育について、費用負担をまったくしなくて良いか、というと、必ずしもそうではないといえます。特に、近年では、大学まで進学する子どもも多く、大学卒業の22歳まで、金銭の負担を請求することも考えられます。

 

この場合は、子どもは20歳以上ですが、未成熟子であるという理由で養育費を請求するか、または、子ども自身の扶養請求を行っていく(任意で合意が成立しない場合は、調停を申し立てる)という形になります。

 

では、このような請求があった場合は、20歳を超えた子どもへの費用負担をしなければならないのでしょうか。

 

基本的には、20歳を超えてまで、子どもへの費用負担をする必要はないものと思いますが、家庭環境などの事情によっては、費用負担が認められる可能性も否定できません。

 

具体的には、①その子どもの大学進学が当然なものと考えられていたかや、②その子どもに援助をする必要性や相当性があるか、等といった事情によって、20歳を超えた子どもへの費用負担の可否が判断されることとなろうかと思います。

 

例えば、①については、親族の大多数が大学卒業の学歴を有していたり、両親がともに大学卒業の学歴を有していたりした場合などは、子どもも大学に行くことが家庭環境から見て当然と判断される可能性があります。

 

また、従来から、家庭内で、子どもが大学進学の希望を持っており、両親も、大学進学を望んでいたという事情があれば、子どもが大学に行くことが当然と判断される可能性があります。

 

②については、両親双方の資力を踏まえ、援助をする側が、子どもに援助することができるだけの相当な余裕があるか、という点が検討されるでしょう。

この際には、援助をする側の債務の状況や、再婚、新たな子どもの出生の有無など、具体的な事情を見て判断されることとなるでしょう。

 

また、子どもが、奨学金を取得しているかや、アルバイト等によって、学費(の一部)をねん出しているか等の事情も、評価の対象とされるべきであると考えます。

投稿者: 流山法律事務所

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