2015.03.31更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

高価なものを買うとき、一括で支払いができないことがあります。そのようなときに利用されるのが、いわゆる「ローン」です。

例えば、新車を500万円で買うような場合、自動車ローンを組んで、毎月5万円ずつ返済していく、などという形を取るわけです。

 

しかし、ローンの支払いをしている間に、何らかの形でローン物件を売却しなければならないこともあるかと思います。先ほどの車の例でいえば、地方から東京に引っ越して、車を必要としなくなったので売却したい、などという事情が生じる場合もあるのです。

 

それでは、そのような、ローンがまだ残っている商品を売却することは可能なのでしょうか。

 

まず、ローン物件の所有権があなたにあれば、売却をすることは可能でしょう。車の例でいえば、車検証の「所有者の氏名又は名称」欄に、あなたの名前が載っていれば、その車はあなたの所有物ですから、売却することは可能です(ただし、ローンは残ります。)。

 

 

では、ローン物件の所有権があなたにない場合はどうでしょうか。

ローンを組むと、ローンを支払い終わるまで、ローン物件の所有権は売主に留保される(所有権留保、といいます。)ことが多いです。ですので、ローン物件の所有権があなたにないことも十分にあり得るのです。

 

車の例でいえば、車検証の「所有者の氏名又は名称」欄に、自動車販売会社の名前が記載されているような場合は、所有権留保がなされている(所有権があなたにない!)と考えてよいかと思います。

 

このような場合は、ローン物件を売ってしまうと、「他人の物を売却してしまった」こととなってしまいます。他人の物は、原則として売ってはいけないことは当たり前ですよね(売却すると「横領」になってしまうかも知れません。)。

 

しかし、まったく売却できないわけではありません。いくつか売却するための方法はあります。

 

①ローンを全部支払ってしまう方法

ローンを全部払ってしまえば、所有権はあなたのものになりますので、売却するのは自由となります。

 

②売主の許可を得る方法

所有権留保している売主が、売却に同意してくれれば、勝手に人の物を売ったことにはなりませんので、売却しても問題はないでしょう。

例えば、車が600万円で売れるのであれば、代金600万円からローンを返済することを売主に約束して、売却すればよいのです。

また、新しい車を買うときに、売主の許可を得て、残っているローン分も含めた新たなローンを組み直す(残債ローン)方法もあり得ます。

 

③買主の地位を変更する方法

売主の合意の下、買主の地位を売却先に変えてもらう方法があります。

買主であるあなたの地位を移転するということは、売却先(ローン物件を譲り受ける者)が残ったローンを支払い続けることとなります。

あなたは、ローン物件の価格から、残ったローン額を差し引いた額程度を売却先から受け取ることとなります。事実上の売却をしたものと評価できると思います。

投稿者: 流山法律事務所

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