2015.03.30更新

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。

 

亡くなった方に多額の借金があった場合、相続放棄という手段を取ることによって、借金の相続を免れることができます。

 

しかし、相続放棄をすれば、借金を免れるだけでなく、亡くなった方の財産(土地建物、車、預金など)を取得することもできなくなってしまいます。

そのため、相続放棄をするときには、プラスの財産とマイナスの財産(借金)とをよく調査し、損をしないように判断すべきである、と、以前、ブログで書かせていただきました。

 

それに関連し、相続放棄をしても、相続人(遺族)が「取得」することができる可能性のある財産があることをご存じでしょうか。それは、「生命保険金」です。

 

生命保険には、通常、生命保険対象者が亡くなったときに生命保険金を受け取る「受取人」が指定されています。

生命保険金は、この受取人の「固有の財産」である(遺産分割すべき相続財産ではない!)と解釈されていますので、相続放棄をしても、受取人はその生命保険金を受け取ることが出来るのです。

 

たとえば、受取人が妻のA子さんと指定されていれば、保険金はA子さんの固有の財産ですから、相続放棄をしても、A子さんは保険金を受け取ることができるのです。

 

では、仮に受取人が「法定相続人」とされていたときはどうなるでしょうか。

このときは、法定相続人が、その相続分に応じて、固有の財産として、保険金を受け取ることが出来ることになります。

 

しかし、受取人が「亡くなった方」本人とされている場合には、保険金は亡くなった方の財産、すなわち遺産となってしまいますので、その場合は、相続放棄をすれば生命保険金を取得することが出来ないと考えられます。

 

生命保険金の特殊性と受取人の指定が重要であることがお分かりいただけたでしょうか。

投稿者: 流山法律事務所

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